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月別アーカイブ: 2025年9月

第16回清掃業雑学講座

皆さんこんにちは!

有限会社ネットワークサービス、更新担当の中西です。

~やりがい~

 

1|この仕事の役割——“きれい”を続かせる仕組みをつくる

清掃は「汚れを取る作業」ではなく、衛生・快適・安全再現性高く維持する運用設計です。
現場の一手が、顧客満足・労働生産性・ブランド価値まで波及します。


2|いま現場に求められている主なニーズ 📈

  • エビデンスのある品質:写真台帳、ATPふき取り、チェックリストで見える化

  • オンデマンド運用:人流・トイレセンサー等で**“使われた分だけ清掃”**へ。

  • 衛生と安全の両立洗剤の適正希釈/PPE/滑り事故ゼロ

  • 分野特化のSOP:医療・食品・ホテル・製造・オフィスで手順・洗剤・ゾーニングを差別化。

  • ロボ×人の協働:自動床洗浄機・ロボ掃除機が面積対応、人は端部・段差・仕上げ

  • ESG/コスト最適化:濃縮ケミカル・再生資材・節水ノズルでLCAと原価を同時に改善。

  • クレーム未然防止臭気・水跳ね・音の定点チェックと即応動線

  • 人材の定着と育成:多国籍チーム運営、言語・ピクトSOPで品質のバラつきを抑える。


3|この仕事のやりがい 🌟

  • Before/Afterがすぐ見える
    床の光沢、臭気の消失、ガラスの透明感——達成が視覚と数値で返ってくる。

  • “誰かの一日を良くする”即効性
    きれいなトイレ、静かなロビー、滑らない床。快適の土台を支えている実感。

  • 仕組みづくりの面白さ
    動線・時間帯・資機材配置でムダゼロを設計できる“運用工学”の手応え。

  • チームで成果が積み上がる
    ロボ・担当・巡回が噛み合い、クレームゼロ更新KPI達成で喜びを分かち合える。

  • 専門性が価値になる
    素材学・衛生学・安全管理・データ読解…**“クリーンエンジニア”**として成長できる。


4|やりがい×ニーズが交差する瞬間(ミニ事例)💬

  • 人流センサーでトイレ清掃をオンデマンド化 → 紙切れクレーム半減、作業時間も15%短縮

  • 希釈ミス対策の“キット化”(計量カップ+色分けボトル) → 皮膚刺激ゼロ・床白化ゼロを継続。

  • ロボ×人の分担マトリクス導入 → 床の再汚染時間が延び、夜間人員1名削減でも品質維持


5|“今すぐ効く”現場ミニ戦略 🧰

  1. 高接触20点リストを入口・EV・WCに掲示し、頻度×記録を運用。

  2. 色分けクロス&モップ(WC=赤/一般=青/厨房=緑)で交差汚染ゼロ

  3. 濃縮ケミカルの希釈表を作業車に常備、ポンプ or カップで誤希釈防止。

  4. ロボの稼働窓を“人の閑散時間”へ固定し、端部・角は人が仕上げ

  5. 写真台帳の三原則:広域→中域→近接、作業前後日時・担当・薬剤を明記。

  6. 臭気の三点セット:床トラップ給水・換気風量・尿石スケールの週次チェックを標準化。

  7. 苦情一次対応テンプレ(5分以内の初動・再発防止策の書式)を全員に配布。


6|成果が見えるKPI(目安)📊

  • 苦情件数/1000人来館(臭気・汚れ・水跳ね・騒音)

  • 再汚染時間(h):清掃後→再度“気になる”まで

  • ATP/細菌数:必要分野での衛生KPI合格率

  • ロボ稼働率(%)/カバー面積(㎡/日)

  • 希釈誤りゼロ継続日数/薬剤使用量㎡あたり

  • 事故・ヒヤリハット件数(滑り・転倒・薬剤飛散)

  • CO₂/水使用量の削減率(ESGの見える化)

重要なのは他社比較より自現場の基準線を上げ続けること。測る→直す→もう一度測るのPDCAが王道です。


7|スタッフのウェルビーイングも“必須のニーズ” 👷‍♀️💚

  • からだ:軽量ツール、腰高バケツ、押す作業>持つ作業への置換。

  • こころ週1の15分デブリーフィングで感情・気づきを共有。

  • 安全:PPE・転倒防止靴・注意喚起サインの徹底、薬剤SDSの周知。

  • 多言語化:ピクトSOP・動画マニュアルで誰でも同品質に。


8|キャリアと学びの道筋 🎓

クルー → エリアリーダー → 班長(品質・安全)→ 係長(シフト・教育)→ 現場マネージャー → 企画/品質管理。
横断スキル:素材・洗剤、SOP設計、データ読解、危機対応、ロボ管理、顧客コミュニケーション。


9|これからの潮流 🚀

  • 成果連動契約:面積×頻度から快適・衛生KPIで評価へ。

  • デジタルQA:チェック/写真/センサーをクラウド連携、監査即応が標準に。

  • ゼロウェイスト運用:濃縮・詰替・再生資材で廃棄とCO₂を最小化。

  • 分野特化の深化:医療・食品・ホテル・製造で別SOP×教育を磨き続ける。

  • 高度協働:ロボは面、人は目利きと合意形成——人の仕事は“価値判断”へシフト


10|まとめ ✨

清掃業のニーズは、エビデンス品質・オンデマンド運用・安全衛生・ロボ協働・ESG
その中でのやりがいは、目に見える達成人の一日を良くする即効性仕組みで価値を生む面白さにあります。

“きれいを続かせる仕組み”を、今日の一手から。
測り、整え、記録し、伝える。 それが次の時代の清掃です🧽✨

 

 

 

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第15回清掃業雑学講座

皆さんこんにちは!

有限会社ネットワークサービス、更新担当の中西です。

 

~変遷~

1|内製から専門職へ——創成期(〜1970年代)

かつて職場や店舗の清掃は社員・店員が兼務するのが当たり前。道具は箒・雑巾・モップが中心で、見た目の清潔がゴールでした。高度経済成長と都市化でオフィス・商業施設が大型化すると、ビルメンテナンス業として清掃が独立。床洗浄機やポリッシャーの導入で、機械化=スピードと均質化が進みます。


2|アウトソーシングと標準化の時代(1980〜1990年代)

  • 日常/定期/臨時の区分が定着、**作業手順書(SOP)**と頻度表で品質を均一化。

  • カーペット清掃・ワックス管理が一般化、資機材・ケミカルのラインナップが拡充。

  • 品質は“目視”中心から、光沢・汚れ残存率など定量評価が導入され始めます。

  • 清掃は安全・防災・設備管理と連携し、ビル総合管理の一部へ。


3|品質マネジメントと分野特化(2000年代)

  • ISO9001/14001の普及で、手順と記録が品質の土台に。

  • 医療・食品・製造では**衛生管理(HACCP/GMP)**対応の清掃が分化。

  • 高所ガラス・外壁・石材メンテなど、素材別プロフェッショナルが台頭。

  • 価格競争だけでなく、再現性と安全を重視する選定へ。


4|デジタル×可視化——運用の科学化(2010年代)

  • ロボット掃除機・自動床洗浄機が現場に浸透、作業は人×機械の協働へ。

  • スマホアプリで打刻・巡回・写真報告ダスト量・稼働ログを可視化。

  • IoTトイレや来館センサーで**“使われた分だけ清掃”**のオンデマンド化。

  • 目的は“きれいにする”から、**“きれいを維持する仕組みを作る”**へ。


5|パンデミックでの再定義:清掃と消毒の分業(2020年代前半)

  • 清掃=汚れを除去消毒=微生物の不活化の役割が社会的に再確認。

  • 高接触部位リスト(ドアノブ・手すり等)と頻度の見直し換気が運用の要に。

  • BCP(事業継続計画)と連動し、緊急対応・ゾーニング・PPEが標準装備化。

  • 依頼側も**エビデンス(記録・写真・消毒剤情報)**を重視するように。


6|サステナビリティとESGの時代(2020年代〜)

  • グリーンケミカル・濃縮希釈・再生資材廃棄・CO₂を削減。

  • 水・電力の使用量KPIマイクロファイバー節水ノズルなどLCA視点が導入。

  • 清掃は見えない価値(健康・快適・環境)をデータで説明するフェーズへ。


7|これからの清掃業:5つの潮流 🚀

  1. 成果連動契約:面積×頻度から、快適度・衛生KPIで評価する契約へ。

  2. オンデマンド運用:センサー・人流データで必要箇所を必要なだけ

  3. ロボティクス常用:広域・反復作業はロボ、仕上げと目利きは人

  4. 分野特化の深化:医療・食品・ホテル・製造・学校で異なるSOPを設計。

  5. 人材の専門職化素材学・衛生学・安全管理・データ読解を備えた**“クリーンエンジニア”**へ。


8|タイムラインで一気に把握 ⏱️

  • 〜1970s:内製中心 → ビルメン誕生、機械化の始動

  • 1980–90s:アウトソーシング普及、SOPと定期清掃の標準化

  • 2000s:品質マネジメント・分野特化・安全重視

  • 2010s:デジタル化・ロボ導入・可視化運用

  • 2020s–:感染対策・ESG・オンデマンド・成果連動


9|“今すぐ現場で効く”チェック 🧰

  1. 高接触20点リストを入口・WC・EVで掲示、頻度×記録を運用。

  2. 濃縮ケミカルの希釈表を作業車に常備、ポンプ or 計量カップで誤希釈ゼロ。

  3. 動線別クロスの色分け(WC・一般・厨房等)で交差汚染防止

  4. ロボ×人の分担表:ロボ=広域/人=仕上げ・端部・目視検査。

  5. 写真台帳の三原則:広域→中域→近接、作業前後日時・担当・使用剤を明記。

  6. 苦情ゼロ運用臭気・音・水跳ねの定点チェックを開店前/昼/閉店後でルーチン化。


10|成果が見えるKPI📊

  • 苦情件数/1000人来館(臭気・トイレ・床汚れ)

  • 再汚染時間(清掃後→再度気になるまでの時間)

  • 資機材・ケミカル使用量/平米(濃縮・節水の効果を可視化)

  • ロボ稼働率・充電回数・カバー面積

  • 事故・ヒヤリハット件数(滑り・転倒・薬剤飛散)

  • 衛生KPI(ATPふき取り・細菌数)※必要分野で

重要なのは“他社比較”より、自社現場の基準線を上げ続けること。データ→是正→再計測のPDCAが王道です。


11|まとめ ✨

清掃業は、
内製の雑務 → 標準化された専門職 → データと衛生の科学 → ESGと成果連動
へと進化してきました。

これから選ばれるのは、衛生・快適・環境数値と仕組みで提供できるチーム。
ロボットと人の強みを掛け合わせ、“きれいが続く”運用を設計する——それが次の時代の清掃です

 

 

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