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第15回清掃業雑学講座

皆さんこんにちは!

有限会社ネットワークサービス、更新担当の中西です。

 

~変遷~

1|内製から専門職へ——創成期(〜1970年代)

かつて職場や店舗の清掃は社員・店員が兼務するのが当たり前。道具は箒・雑巾・モップが中心で、見た目の清潔がゴールでした。高度経済成長と都市化でオフィス・商業施設が大型化すると、ビルメンテナンス業として清掃が独立。床洗浄機やポリッシャーの導入で、機械化=スピードと均質化が進みます。


2|アウトソーシングと標準化の時代(1980〜1990年代)

  • 日常/定期/臨時の区分が定着、**作業手順書(SOP)**と頻度表で品質を均一化。

  • カーペット清掃・ワックス管理が一般化、資機材・ケミカルのラインナップが拡充。

  • 品質は“目視”中心から、光沢・汚れ残存率など定量評価が導入され始めます。

  • 清掃は安全・防災・設備管理と連携し、ビル総合管理の一部へ。


3|品質マネジメントと分野特化(2000年代)

  • ISO9001/14001の普及で、手順と記録が品質の土台に。

  • 医療・食品・製造では**衛生管理(HACCP/GMP)**対応の清掃が分化。

  • 高所ガラス・外壁・石材メンテなど、素材別プロフェッショナルが台頭。

  • 価格競争だけでなく、再現性と安全を重視する選定へ。


4|デジタル×可視化——運用の科学化(2010年代)

  • ロボット掃除機・自動床洗浄機が現場に浸透、作業は人×機械の協働へ。

  • スマホアプリで打刻・巡回・写真報告ダスト量・稼働ログを可視化。

  • IoTトイレや来館センサーで**“使われた分だけ清掃”**のオンデマンド化。

  • 目的は“きれいにする”から、**“きれいを維持する仕組みを作る”**へ。


5|パンデミックでの再定義:清掃と消毒の分業(2020年代前半)

  • 清掃=汚れを除去消毒=微生物の不活化の役割が社会的に再確認。

  • 高接触部位リスト(ドアノブ・手すり等)と頻度の見直し換気が運用の要に。

  • BCP(事業継続計画)と連動し、緊急対応・ゾーニング・PPEが標準装備化。

  • 依頼側も**エビデンス(記録・写真・消毒剤情報)**を重視するように。


6|サステナビリティとESGの時代(2020年代〜)

  • グリーンケミカル・濃縮希釈・再生資材廃棄・CO₂を削減。

  • 水・電力の使用量KPIマイクロファイバー節水ノズルなどLCA視点が導入。

  • 清掃は見えない価値(健康・快適・環境)をデータで説明するフェーズへ。


7|これからの清掃業:5つの潮流 🚀

  1. 成果連動契約:面積×頻度から、快適度・衛生KPIで評価する契約へ。

  2. オンデマンド運用:センサー・人流データで必要箇所を必要なだけ

  3. ロボティクス常用:広域・反復作業はロボ、仕上げと目利きは人

  4. 分野特化の深化:医療・食品・ホテル・製造・学校で異なるSOPを設計。

  5. 人材の専門職化素材学・衛生学・安全管理・データ読解を備えた**“クリーンエンジニア”**へ。


8|タイムラインで一気に把握 ⏱️

  • 〜1970s:内製中心 → ビルメン誕生、機械化の始動

  • 1980–90s:アウトソーシング普及、SOPと定期清掃の標準化

  • 2000s:品質マネジメント・分野特化・安全重視

  • 2010s:デジタル化・ロボ導入・可視化運用

  • 2020s–:感染対策・ESG・オンデマンド・成果連動


9|“今すぐ現場で効く”チェック 🧰

  1. 高接触20点リストを入口・WC・EVで掲示、頻度×記録を運用。

  2. 濃縮ケミカルの希釈表を作業車に常備、ポンプ or 計量カップで誤希釈ゼロ。

  3. 動線別クロスの色分け(WC・一般・厨房等)で交差汚染防止

  4. ロボ×人の分担表:ロボ=広域/人=仕上げ・端部・目視検査。

  5. 写真台帳の三原則:広域→中域→近接、作業前後日時・担当・使用剤を明記。

  6. 苦情ゼロ運用臭気・音・水跳ねの定点チェックを開店前/昼/閉店後でルーチン化。


10|成果が見えるKPI📊

  • 苦情件数/1000人来館(臭気・トイレ・床汚れ)

  • 再汚染時間(清掃後→再度気になるまでの時間)

  • 資機材・ケミカル使用量/平米(濃縮・節水の効果を可視化)

  • ロボ稼働率・充電回数・カバー面積

  • 事故・ヒヤリハット件数(滑り・転倒・薬剤飛散)

  • 衛生KPI(ATPふき取り・細菌数)※必要分野で

重要なのは“他社比較”より、自社現場の基準線を上げ続けること。データ→是正→再計測のPDCAが王道です。


11|まとめ ✨

清掃業は、
内製の雑務 → 標準化された専門職 → データと衛生の科学 → ESGと成果連動
へと進化してきました。

これから選ばれるのは、衛生・快適・環境数値と仕組みで提供できるチーム。
ロボットと人の強みを掛け合わせ、“きれいが続く”運用を設計する——それが次の時代の清掃です

 

 

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